はじめに:認知症は家族全員に関わる問題

認知症は本人だけでなく、家族全員に関わる大きな問題です。しかし、私自身の経験では、家族が親の認知症に気づく頃には、何も準備ができていないケースを多く見てきました。

突然の介護や判断を求められる状況に戸惑うことなく、親子で安心した生活を送るためには、認知症になる前に家族として準備を進めることが重要です。今回は、「親が認知症になる前に家族が準備すべき10のこと」をご紹介します。

1. 親と直接話して医療・介護の希望を確認する

まずは、親自身の意思や希望を直接確認することから始めましょう。親がどのような医療や介護を希望しているかを知ることは、いざという時の選択に大きく役立ちます。

例えば:

医療:延命治療を希望するかどうか、どのような医療を受けたいか。

介護:施設入所と在宅介護のどちらを希望しているか。

ただし、こうした話題を切り出すのは簡単ではありません。話し合いをスムーズに進めるためには、以下のポイントを意識しましょう:

  • 親の意向を最優先に考える:親の幸せや希望を尊重し、じっくり話を聞く姿勢を持ちましょう。
  • 話し合いのタイミングを工夫する:お彼岸やお盆など、自然に将来の話題に移りやすい時期を選ぶと良いです。
  • 親の友人や近所の方の話題から始める:親の友人の近況などをきっかけに話を切り出すと、スムーズに進みます。
  • 親の気持ちに寄り添う:親が将来への不安を口にした際には、否定せず、共感を示すことが重要です。
  • 子どもからお願いする姿勢を持つ:子どもが一歩下がり、親にお願いする形を取ることで、真剣に向き合いやすくなります。

これらのポイントを踏まえ、親が安心して自分の考えを話せる環境を作りましょう。焦らず、少しずつ希望を聞き出していくことが、将来の安心につながります。

2. エンディングノートの作成をサポートする

親の希望を明文化するためのツールとして、エンディングノートの作成をサポートしましょう。医療や介護に関する希望だけでなく、財産管理、葬儀の希望、感謝のメッセージなど、親の思いを幅広く記録することができます。

エンディングノートを作成する際に重要なのは、「無理なく少しずつ進めること」です。一度にすべてを書き上げる必要はありません。私自身が行っている**「毎日一行エンディングノート」**のように、一日一行ずつ書き進める方法もおすすめです。この活動では、エンディングノートの大切さをFacebookで発信しています。親が取り組みやすい形式で、少しずつ情報を整理していきましょう。

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3. 任意後見契約を提案する

親が判断能力を失った際、希望に沿った支援をスムーズに進めるためには、「任意後見契約」の準備が有効です。親が信頼できる人(家族や第三者)を選び、財産管理や契約手続きなどを任せる仕組みを整えておくと安心です。

この契約は認知症になる前にしか結べないため、早めに専門家に相談して進めることをおすすめします。

4. 親の財産や契約情報を整理する

親の財産や契約情報を一緒に整理しておきましょう。預貯金や保険、不動産、借入金、年金などの情報をリスト化し、親と共有することで、万が一の時の対応がスムーズになります。

また、定期的に整理し直すことで、状況の変化に対応しやすくなります。

5. 親の医療機関や主治医を把握しておく

親が普段通っている病院や、かかりつけ医の情報を把握しておくことも重要です。診療情報や処方薬の内容を知っておくことで、認知症の兆候が見えた時に速やかに受診につなげることができます。

特に認知症外来や専門医がいる病院を事前に調べておくと、早期診断・治療が進めやすくなります。

6. 親の生活のこだわりや日常ルーティンを知る

認知症が進行すると、親の日常生活のリズムやこだわりが大きく乱れる場合があります。その際、親の普段の生活を把握していると、対応がスムーズになります。

例えば:

• 朝は必ずこの時間にコーヒーを飲む

• 毎晩好きなドラマを楽しむ

こうした日常的なこだわりをリストアップしておくことで、介護が必要になった時に本人のストレスを軽減できます。

7. 家族で役割分担を話し合う

親の介護が必要になると、家族全員に大きな負担がかかります。そのため、事前に家族で役割分担について話し合っておくことが重要です。

「日常のサポートを誰が行うのか」「経済的な負担をどう分担するのか」などを、親も交えて話し合うことで、いざという時の混乱を防ぐことができます。

8. 認知症に関する正しい知識を持つ

認知症に対する誤解や偏見は、家族の負担を増やしてしまう原因になりがちです。認知症の症状や進行、対応方法について、家族全員が正しい知識を持つことが大切です。

地域で開催される認知症講座やオンラインセミナーに参加するのも良い方法です。

9. 信頼できる専門家との連携を作る

認知症の準備は、家族だけで進めるのが難しい場合もあります。こうしたとき、行政書士や社会福祉士、地域包括支援センターなどの専門職の力を借りると大きな助けになります。

上松行政書士事務所では、任意後見契約の作成支援やエンディングノート作成のサポートを行っています。また、家族間の話し合いが難しい場合は、進行役として意見を整理し、合意形成をお手伝いします。さらに、初回相談は無料なので、気軽にご相談いただけます。

10. 親との時間を大切にする

認知症への準備はもちろん重要ですが、何よりも大切なのは「今」を充実させることです。親との時間を意識的に作り、思い出を共有しましょう。

親が元気なうちに一緒に旅行をしたり、趣味を楽しんだりすることで、かけがえのない時間を過ごすことができます。認知症の準備も進めながら、親子の絆を深めていきましょう。

まとめ:家族みんなで安心を作る準備を

認知症への備えは、親だけでなく、家族全員が協力して進めることが大切です。今回ご紹介した「親が認知症になる前に準備すべき10のこと」を実践することで、親子で安心した未来を築くことができます。

準備を進める際には、「焦らず少しずつ進める」ことが大切です。最初は難しいと感じるかもしれませんが、小さな一歩が将来の大きな安心につながります。また、家族だけで解決が難しいと感じたときには、専門家の力を借りることも検討しましょう。

上松行政書士事務所では、任意後見契約やエンディングノートの作成、家族間の話し合いのサポートなど、幅広いサービスを提供しています。特に初回相談は無料ですので、気軽にご相談ください。あなたの家族が抱える不安や課題に寄り添い、最適な解決策をご提案いたします。

認知症の備えを進めることは、親子の絆を深めるきっかけにもなります。ぜひ、今日から一歩を踏み出してみてください!

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