日々の生活で何気なく行っている動作や移動。それがどれほど重要な支えに依存しているか、不自由な生活を送るまで気づかないことがあります。私は先日、雨の日に足を滑らせ骨折し、松葉杖生活を送ることになりました。その中で、不自由さがもたらすストレスや周囲の親切への感謝、住環境が安心感に与える影響を強く実感しました。

この経験を通じて感じたのは、住環境を整えることの重要性です。特に、身体の支援を必要とする方々にとって、「住みやすさ」を考える視点は欠かせないものであると気づかされました。今回はその学びを基に、安心できる住環境づくりのポイントについてお話しします。


骨折生活で感じた不自由さとストレス

松葉杖を使っての生活は、想像以上に制約が多く、ちょっとした動作にも大きな労力を伴いました。例えば、以下のような点で困難を感じました。

  • 椅子からの立ち上がりがスムーズにいかない
  • 手すりや支えがないと、不安定で移動が困難になる
  • バランスを取るために、腕や肩に大きな負担がかかる

これらの状況が、高齢者や支援が必要な方々の日常生活にどれほど影響を与えるかを、身をもって実感しました。動けないストレスは精神的な負担にもなり、住環境の工夫がいかに生活の質を向上させるかを考えさせられました。


「親切心」だけでは支援が十分でないことも

ある日、松葉杖をついて移動している私に、親切な方がエスカレーターに誘導してくれました。とてもありがたい行為でしたが、実際に乗るとバランスが取りづらく、転倒しそうで怖い思いをしました。

このエピソードは、決して親切心を否定するものではありません。 むしろ、感謝の気持ちを持っています。しかし、この経験を通じて、「相手の立場に立つ支援の難しさ」を感じました。たとえば、エレベーターを案内していただけていたら、もっと安心して移動できたかもしれません。

こうしたことから、支援が必要な方にとっての住環境整備も同じであり、「本人の声を反映した工夫」が大切であると気づきました。


住環境整備がもたらす安心感

今回の骨折生活で、特に「手すり」の重要性を身をもって感じました。立ち上がる際や移動する際に、手すりがあるだけで安心感と安定感が大きく向上しました。

高齢者や支援が必要な方々にとって、適切な場所に手すりがあることや、段差を解消することが日常生活の質を左右します。これらの環境整備が、転倒リスクを軽減し、自立した生活を支える大きな力となります。


介護保険を活用した住宅改修の具体例

介護保険では、以下のような住宅改修が補助の対象となります。これにより、住環境をより安全で快適なものにすることが可能です。

  1. 手すりの設置:立ち上がりや移動を補助
  2. 段差解消:スロープの設置や床の平坦化
  3. 滑りにくい床材への変更:浴室や玄関などの安全対策
  4. トイレの改修:和式から洋式への変更や高さ調整
  5. 扉の変更:引き戸への変更や開閉しやすい仕様への改修

これらの改修を行うには、事前申請が必要です。利用可能な補助金の上限は20万円で、その一部は自己負担となります。

住宅改修や介護保険の申請については、地域包括支援センターが適切な窓口です。利用者の生活状況やニーズを専門スタッフと共有することで、必要な改修をスムーズに進めることができます。


まとめ:支え合う社会のために

骨折を通じて、不自由な生活がもたらす課題と、それを補う住環境の大切さを深く実感しました。高齢者や支援が必要な方々が、安心して暮らせる社会を実現するためには、住環境整備が欠かせません。

私たち上松行政書士事務所では、住宅改修や介護保険の手続きには直接携わりませんが、高齢者が安心して暮らすために必要な法的サポートや終活のご相談に対応しています。例えば、以下のようなサービスを通じて暮らしの安心を支えています:

  • 遺言書の作成や財産管理のサポート
  • 成年後見制度の利用サポート
  • エンディングノート作成のアドバイス

住まいや暮らしの不安を解消するために、適切な窓口(地域包括支援センターなど)をご案内するとともに、終活や法的な手続きの面でもお手伝いさせていただきます。ぜひお気軽にご相談ください。


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